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9784904307809 |
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11,000円(本体10,000円、税1,000円)
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2016/7/22発売!
粥状動脈硬化症
編著:戸田 隆義
本体価格:10,000円
ISBN:978-4-904307-80-9
発売日:2016.7.22
商品説明
粥状(動脈)硬化症は多くの因子が関与し心筋梗塞や脳梗塞など重大な問題を引き起こします。近年,発生機序について形態学的研究の進歩とともに分子機序が解明されてきています。
本書は,形態学的研究の到達点,分子病理学的研究の現状を解説し,併せてメタボリックシンドロームや栄養面からのアプローチとともに,臨床面から内科的,外科的治療までも解説しました。本症に関係する研究者,臨床家ともに読んでいただきたい1冊。
目次(full)
1 章 ヒト粥状動脈硬化症の病理
I.動脈硬化症の病理形態
1.正常動脈の基本型とその構造
2.動脈硬化症の組織構造
3.虚血性心疾患における冠動脈の病理組織像
II.粥状硬化症の基盤としてのヒト血管系の加齢現象
1.臓器としての血管系の加齢現象
2.Botallo 管(動脈管)の加齢現象
III.冠動脈硬化症の地理病理学的背景
1.病理解剖からみた沖縄県の冠動脈硬化症
2.沖縄県の血清Lp(a)濃度
3.沖縄県の血清コレステロール濃度
IV.粥状硬化症の成因論
1.血行力学説
2.脂質学説
3.血栓および凝固学説
4.傷害反応学説
5.モノクローン学説
6.炎症学説
V.血管内膜細胞の増生と粥状硬化症
1.顕微蛍光測光法による内膜細胞の核DNAの定量と細胞動態の解析
2.ヒト粥状硬化病変におけるマイクロサテライト不安定性とヘテロジェネイティーの解析
3.内膜平滑筋細胞の形質転換
4.内膜細胞の増生と癌遺伝子
1)一般的事項
2)粥状硬化病変でのc―myc,PDGFおよびPDGF レセプターの発現:in situ hybridization による検討
VI.血管内膜細胞死と粥状硬化症
1.細胞死の形態学的分類と分子機序
2.粥状硬化病変における血管壁細胞の変性壊死の著者らの分類
3.PCI とバルーンカテーテルによる血管壁傷害動物実験における細胞の変性壊死
4.エストロゲン,酸化脂質およびビタミンD3 と血管壁細胞の変性壊死
5.粥状硬化病変におけるマクロファージとアポトーシス
2 章 鳥類モデルと実験的粥状動脈硬化症
I.ニワトリモデル
1.ニワトリの血管構造の特異性と粥状硬化症
2.遺伝性脂質異常症ニワトリモデルの脂質代謝および血管病変の性差
3.女性ホルモンのヒヨコの血清脂質と血管壁に及ぼす影響と種差
1)一般的事項
2)女性ホルモンのヒヨコの血清脂質と血管壁に及ぽす影響
3)ニワトリ,ウサギおよびラットにおけるエストロゲンの血清脂質の及ぼす影響と種差
4.男性ホルモンの血管壁および血清脂質に及ぼす影響
5.血管壁培養細胞の増生に及ぼす性ホルモンの影響
II.ウズラモデル
1.経口的コレステロール負荷に対する通常市販日本ウズラ(CA)の血管病変と血清脂質の応答
1)経口的コレステロール負荷に対する通常市販日本ウズラ(CA)の血管病変
2)経口的コレステロール負荷に対する血清脂質の応答
2.脂質異常症および粥状硬化症易発症性(LAP)ウズラモデルの樹立と脂質代謝の特性
1)脂質異常症および粥状硬化症易発症性(LAP)ウズラモデルの樹立とコレステロール負荷に対する血管病変
2)LAP ウズラの脂質代謝の特性
3.ウズラの粥状硬化病変における細胞サイクルの制御に関与する遺伝子の発現
4.沖縄県産黒糖の摂取が日本ウズラの粥状硬化症に与える影響
5.ウイルスおよび化学発癌剤と粥状硬化症
1)ウイルスと粥状硬化症
2)化学発癌剤と粥状硬化症
3 章 マウスモデルおよび細胞培養と実験的粥状動脈硬化症
I.マウスモデル
1.自然発症脂質異常症マウスの粥腫病変形成とその食餌組成
2.食環境を利用したメタボリックシンドロームの予防・改善の可能性
1)はじめに
2)メタボリックシンドローム
3)糖・脂質代謝制御に関与する分子機構
4)機能性脂質によるメタボリックシンドロームの予防・改善
5)ムキタケによるメタボリックシンドロームの予防・改善
6)おわりに
3.抗酸化ストレス因子ペルオキシレドキシン4 と粥状硬化
1)粥状硬化における酸化ストレスの位置付け,そしてPRDX4 とは
2)高脂血症(脂質異常)誘発性粥状硬化マウスモデルにおけるPRDX4 の保護・防御作用の検討
3)PRDX4 の治療応用を含めた将来性
4)結 論
4.動脈硬化モデル動物―ヒト外挿への挑戦
1)血清リポタンパク質代謝
2)動脈硬化症易発症モデル動物
3)Watanabe hereditary hyper-lipidemia(WHHL)ウサギ
4)おわりに
II.細胞培養
1.胸管リンパカニュレーション手法やCaco―2 細胞を用いたステロール吸収の研究
1)序 論
2)ステロール吸収機構解明研究の紆余曲折
3)緑茶カテキンのコレステロール吸収抑制機構解明研究の紆余曲折
4)膵液コレステロールエステラーゼのコレステロール吸収促進作用機構解明
5)おわりに
2.メタボリックシンドロームを理解するための脂肪組織の基礎,血管周囲脂肪組織の特性と病態解析モデル
1)はじめに
2)脂肪組織の基礎
3)血管周囲脂肪組織の特性と役割
4)脂肪組織―多種細胞間相互作用解析モデル
3.動脈硬化における血管壁細胞の培養とその役割
1)血管内皮細胞(EC)
2)平滑筋細胞(SMC)
3)マクロファージ(Mφ)
4)ヒスタミンと動脈硬化,その生体内における役割
4 章 栄養と粥状動脈硬化症
I.食用油脂の粥状硬化惹起性の生化学的および形態学的評価
1.食用油脂の一般的事項
2.飽和脂肪酸
3.不飽和脂肪酸
4.水素添加硬化油脂
5.酸化脂質
II.トランス脂肪酸と動脈硬化
1)トランス脂肪酸にかかわる基礎知識
2)トランス脂肪酸と動脈硬化
3)反芻動物由来のトランス酸をめぐる問題
4)トランス脂肪酸問題の今後
III.ビタミンおよびミネラルと粥状硬化症
1.一般的事項
2.ビタミンD3の血管障害作用
3.ビタミンD3とカルシウムおよびマグネシウムの血管壁での相互作用
4.妊娠したメスブタへのビタミンD3の過剰投与が子ブタの冠動脈に及ぼす影響
5 章 粥状動脈硬化症の臨床
I.粥状硬化症の危険因子の分子病理学的機序と内科学的治療
1.血管内膜構成細胞の役割
2.メタボリックシンドローム
1)メタボリックシンドロームの概念
2)脂肪細胞の生理機能
3.脂質異常症
4.糖尿病
5.高血圧と血行力学
1)高血圧
2)血行力学的ストレス
6.喫 煙
7.尿 酸
8.血液凝固と線溶系
9.血管の再生治療
1)遺伝子治療
2)細胞移植による治療
10.経皮的冠動脈形成術
II.肥満と生活習慣病の臨床
1.概 要
2.これまでの生活習慣病対策
3.久山町研究が示すもの
4.DIRECT 試験が示すもの
5.2013 AHA/ACC/TOS「肥満と肥満症のガイドライン」
6.欧米の糖尿病ガイドライン
7.低炭水化物食(糖質制限食)の歴史
8.Atkins 法とは
9.筆者の臨床応用方法
III.粥状硬化症の外科的治療
1.脳外科的診断と治療
1)動脈硬化と脳血管障害
2)診断のための検査法
3)脳梗塞の外科的治療
4)各病型に共通の治療
5)頸動脈病変
2.心臓血管外科的治療
1)末梢動脈の狭窄および閉塞
2)大動脈瘤
3)冠動脈の狭窄