発行日:2019年12月20日
人気HP「一番優しい、医薬品開発に必要な統計学の教本」の基本的な部分を書籍化
著 者:吉田 寛輝
判 型:A5判
ページ数:188ページ
【内容紹介】
◆ 統計はむずかしい…
◆ 今あるデータに、どの検定を使えばいいかわからない…
◆ 平均値ぐらいは知っているが、分散とか標準偏差ってなに…
あなたがこの本を開いているということは、もしかしたらこのような悩みをもっているかもしれませんね。
しかし実はこれ、なにを隠そう、数年前まで私自身が悩んでいたことです。
そんな私が、なんの手違いか、統計解析を仕事にするなど夢にも思いませんでした。
しかし数年後、なんとか一人前に仕事ができるようになったころ。
統計に関して、2つのことが理解できたときに、ブレイクスルーが起こりました。以下の2つです。
・ 母集団と標本の関係
・ 統計は誤差の概念が重要
本書では「母集団と標本」、「誤差の概念」の2つを重要視しています。
そのため、極力、数式は排除して解説することを心掛けました。
ぜひとも本書が、統計学の理解を深め、統計学の本質をイメージできるようになるための一助となることを願っています。
「はじめに」より抜粋
【目次】
I 統計の役割
1 統計=P値なのか
2 データの特徴をつかむ
3 母集団の推定
II 要約統計量
1 連続データ
A 連続データとは
B ヒストグラムを作ってみる;図式化
C 要約;平均値を算出してみる
D 平均値が使えない場合にはなにを使えば良いのか;中央値
E 平均値で要約することが適切な状況
F データがバラつくのであれば、そのバラつき度合いも要約する;分散と標準偏差
G 正規分布を学ぶ
H 左右対称の分布ではない場合のバラつきの指標;四分位数と四分位範囲、箱ひげ図
2 カテゴリカルデータ
A カテゴリカルデータとは
B カテゴリカルデータの要約法
C 分割表;カテゴリカルデータが複数の場合
D 分割表からなにを読み取るのか
E 分割表から算出される感度と特異度
F 陽性的中率と陰性的中率
III 統計的推測
1 母集団の推定
A 標本を何回か抽出してみる
B 「点」推定ではなく「区間」推定;標準誤差から95%信頼区間へ
C まずは標準誤差を算出
D 標準誤差から95%信頼区間へ
E 95%信頼区間の解釈についての注意点
2 仮説検定
A 統計的検定では結論は1つだけ?
B αエラーとβエラー
C 帰無仮説と対立仮説
D 検定は手順が重要
E 片側検定と両側検定
F パラメトリック検定とノンパラメトリック検定
G P値とは
IV 計画を立てることの重要性
A 計画を立てる —どんなデータをとるのか
B バイアスを避け、精度を確保する
C バイアスを避ける
D 精度の確保
E 抽出法;バイアスを防ぐために必要な3つの方法
V さまざまな検定を理解する
1 検定を選択する際のポイント
2 なにをしている検定なのか、仮説をみればわかる;帰無仮説と対立仮説
3 T検定
A T検定はなにを解析する検定手法か
B パラメトリックな検定
C T検定における帰無仮説と対立仮説
D T検定の実際
4 ウィルコクソンの順位和検定
5 χ二乗検定、フィッシャーの直接確率検定
A χ二乗検定
B フィッシャーの直接確率検定
6 分散分析
VI 多重性とはなにか
A 宝くじで学ぶ多重性
B じゃんけんで学ぶ多重性
C なぜ多重性が問題なのか
D 複数回検定しても多重性の問題が発生しない?
E And なのか Or なのかによって多重性の問題が発生するかどうか異なる
F 多重性を回避する
VII 生存時間解析
A 「イベント」という概念
B さらに重要な概念である「打ち切り」
C 生存時間解析は、打ち切りを考慮しながらイベントまでの時間を解析できる方法
D カプランマイヤー曲線
VIII 回帰分析・共分散分析
1 回帰分析
A 回帰分析とは
B 最後の「誤差」は何者?
C どうやってaとbを決めるか;最小二乗法
D 回帰分析に関する用語の整理
2 共分散分析
A 共分散分析は、どのような解析手法か
B 交絡バイアスを思い出そう
C 共分散分析の式
D 共分散分析—どちらの影響なのかを解析する
E 実際の解析でみる共分散分析
IX 相関
A 相関係数とはー基礎的な知識
B 相関と回帰分析の違い
C 相関係数のP値にはどんな意味があるのか